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プレスライダーという仕事

2011-01-21
私たちと風貌は違いトランクを搭載しません。新聞社や通信社、テレビ局から貸り上げられ、緊急の素材輸送から定期輸送まで行います。

フロントフォークに報道従事を示す社旗を取り付けるためのポール(社旗棒)を取りつけ、「いざ」という一大事は社旗をなびかせ走行します。
社旗に法律根拠はないのですが、警備が厳格な状況では一般車と異なる対応もあったりします。

とはいえ、最近では社旗を付けなかったり、トランクを積むプレスライダーも多くなってます。
そうしたバイク達を「プレス」とか「局車(きょくしゃ)」とバイク便ライダーは呼んでいますが、逆に彼らはバイク便の事を「箱屋さん」などと呼ぶ事もあります。
プレスとバイク便は似て非なるものであるし、似た者同士とも言えます。


報道機関に常駐し、事件が起きれば記者さんやカメラマンと行動し、報道素材を持ち帰りニュースに間に合せます。
時の人が乗る車を追跡する「追っかけ」などと言うことも担当します。
某宗教団体の代表が逮捕された日は、高価な放送カメラをタンクに取りつけ、容疑者を乗せた捜査車両を山梨県の上九一色から都内まで撮影し続け、生中継で流し続けました。
が、そこに至るまでには気の遠くなる日数の現場待機もあったのです。
待機との闘いです。


平時は官庁街の記者クラブへFAX用紙や新聞を届けたり、と単調な日々を繰り返します。野球シーズンは毎日、ナイター試合で球場回りを。悪天候の中、延々と青梅街道を西武ドームへ走る道のりはなかなか大変です。

バイク便会社でも、大事件で局車が目いっぱい出払っている時は「追っかけ」にも参戦したり、局車を利用できないワイドショー部門からのご依頼で何時間も現場待機し、テープを受け取り持ち帰ったり、なんてことも。


大昔、伝書鳩。一昔前、プレスライダー。今、個人携行電送装置。
スチール写真はフィルム現像不要となり、画は無線インターネットで。
映像も携帯型中継装置で。

バイクの需要が減りつつあります。


とはいえ必要として頂く機会はまだ多く「オートバイさん」と親しみを込めて呼んで頂いています。

神戸や中越での大地震では、報道素材輸送でバイク便が大活躍しました。
報道バイク会社では、マラソン大会でカメラバイクの運用も行っています。

昔、汚職事件で拘留中だった代議士が釈放され、拘置所から迎えの車が出発した時。
20台以上の追っかけ局車が首都高で全て落伍した「逃げ専門ドライバー」なんて存在もありました。

愛車と自分の腕を信じ、絶対に事故を起こせない厳しい職業です。
今ではプレスが社旗をなびかせる機会もあまりありませんが、旗をパタパタさせてる時の緊張、自分の運んでる素材がニュースのトップになる興奮は一度体験したら忘れられません。


海外は少し事情が違い、ジャーナリスト自らバイクを運転する「パパラッチ」という職業が。ダイアナ妃の交通事故では、事故直後の救助に参加せず撮り続けていた、という話も残っています。
あまりイメージがよろしくないようですが、日本の「職業ライダー達」は、範を示すべく素敵なライドを続けて欲しいと思います。
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