2011-02-07
ある二輪誌の編集者さんが個人スタンスで企画した
「バイクパーキングありがとう&これからもよろしくミーティング」にお邪魔させて頂きました。
場所は表参道、Gucci前に設置される二輪用パーキング。
みなさまの愛車、おっきくてピカピカでかっこいいのばっかり。
私はといえば、BOX搭載でまるっきり業務スタイル。
>表参道バイク用パーキング・チケットを満車にすることで、
>バイク駐車場を整備してくれたみなさんに「お礼」のキモチを表してみませんか?
と
編集者さんがTwitterで呼びかけ、20数名のバイカーさんが集まりました。
長野など遠方から来られた方も。大変お疲れさまでした。
何をするというわけでなくバイクをパーキングに駐車し、おしゃべりして解散!というもの。
2回目以降の構想もあるようで、楽しみです。
改正道路交通法により2006年から、放置駐車の確認事務を民間に委託できるようになりました。
グリーンの制服、駐車監視員のスタートです。
放置駐車車両を写真撮影などで確認し、放置車両確認標章を貼り付けます。
監視員は反則切符を交付しませんので、違反者は
1.警察署へ出頭し反則切符交付を受け、反則金を納付する。
2.出頭せず放置。車両所有者が放置違反金を納付する。
1の場合は当然、違反点数も科せられます。
2を6カ月以内に3回以上繰り返すと、車両の使用制限命令を公安委員会から受ける事があります。
ここまでが概要です。
放置駐車取り締まり手続きが簡単になり、私たちの業界でも大きな騒ぎとなり不安や憶測が飛び交いました。『緊急配達中・すぐ戻ります』というプレートを配布したりしましたが、確認標章を取り付けられる事例が相次ぎ、ひどいケースは1日に3回貼られてしまったというライダーさんも。
特に厳しい状況だった銀座周辺の配達は拒否したい、という声も上がりました。
宅配便業界は繁華街での集配に自転車や徒歩へシフトが始まり、当社でも
ハンドキャリー(公共交通機関を利用した配送)や自転車インフラの強化を進めました。
しかし宅配便のようなハブ&スポークの配送システムではない緊急配送は、どうしてもバイクを使わざるを得ないケースが多く、苦悩が続きました。二輪車用の駐車場整備は進まず、四輪駐車場にやむを得ず停め苦情を頂く事例も増加。ビルの駐車場への入場も「二輪車は不可」とお断りされ。
1年ほど前から、少しだけ状況が改善してきたとの声を聞く事が多くなり、新たに竣工する巨大ビルでは二輪駐車スペースが設置され、「バイクお断り」だったオフィスビルでも入場を許して頂く事が増えました。
私たちの一番の強みは、スペースを取らないバイクが「さっ」とお客様の前へ駆けつけ、「ひゅっ」と立ち去る事。
思えば炭疽菌テロが米国で発生して以降、ビル内への入館手続きが一斉に複雑化し、短時間だけバイクから離れるという事が不可能となりました。
二輪の利点がスポイルされてしまいます。
入館で時間を要した分を「走り」でカバーするわけにはいきません。
企業としては、お客様の利便性とライダーを守るために、二輪車の「敷地立ち入り」「駐車場利用」のお願いをこれからもビル管理者の方へ地道に続けます。
冒頭の「個人の行動」はとても意義あると感じ、継続させて輪が広がればいいな、とも考えます。バイク乗りはもっと結束すべきとも感じています。
個人だけでなく、私たちの業界も同様です。
海外の駐車環境ですが、下はフランスです。2ROUESの表示、バイクパーキングスペースが。
オープンカフェ目の前へバイクを乗りつけられる写真がイタリアの様子です。
ヨーロッパの方が二輪のモータリゼーションが進んでいる、とよくお聞きします。実際、自分の目でもそう感じた事があります。
街の雰囲気とバイクがとてもよくマッチングしてるとも感じましたが、今回の表参道だってヨーロッパにひけを取らない雰囲気と思います。表参道駅から地上に出た瞬間、路肩に整備されたバイクパーキングを外国の方が見れば「日本は先進的」とのイメージを持たれるかもしれません。
私、仕事でお客様を訪問したり休日に外出する時、場所によってはバイクを使うの躊躇します。四輪車パーキングはいくらでも見つかるからです。
出かける前に場所を確認しなくても、バイク用パーキングが簡単に見つけられる環境になれば、環境インパクトの少ないバイクの利用がもっと進むかと考えます。
2010-06-18
「ホンダ VTR250」というオートバイです。
バイク便で最も多く使われる車種のひとつで、街中でも多く見かけます。
1998年に発売され、現行モデルは燃料噴射が電子制御式で環境にも優しくなっています。
エンジンの排気量は250cc。MC15Eという形式ですが、初登場は30年近く前の歴史あるエンジンで色々な車種にも使われています。
だから信頼性が高く「こわれないエンジン」として職業ライダーに人気があります。
乗り味の感想です。
1000ccのスーパースポーツ車に普段乗る方は物足りない感があるかも知れません。
エンジンは高回転までスムーズに回りますが、高回転では「力が出てないかな」と感じます。
でも普段は、そこまで回転を上げる必要はあまりありません。
乗り心地はやわらかい優しい感じですが、サスペンションの動きやブレーキの性能、車体の剛性などこれまた「物足りない」と感じる人もいるかも。
でも、低めの速度域ではなんとも面白く、気持ちよく、味のあるオートバイだなー、と感じます。1000ccでは味わえない領域です。
大雨、強風、渋滞、高速道路で遠方へ。色々なシーンで、疲労無く安全にキビキビ、という要求に最も応えてくれるバイクかも知れません。
私たちは仕事で毎日、ときには1日数百キロ走ります。
渋滞の都心も走れば、長野県まで高速道路を走る事もあります。一般のバイカーさん達からよく「仕事でツーリングできてうらやましい」と話し掛けていただく事がありますが、心中は「安全・確実配達」のプレッシャーで長距離ライディングを楽しむ余裕はないのです。
ホンダWEBサイトのVTR250ページにはムービーが流れています。
なんともホッとする、うらやましい表情でモデルさんがライディングしています。「こんな風にオートバイに乗りたいなー」といつも思います
今度の週末。いや、今年の夏休みは北海道をのびのび走ってみたいな。
それでは。
セーフティライド!
2009-11-10
By-Q「辰巳オフィスサポートセンター」では、レーシングマシンが入口に鎮座してお客様をお迎えしています。
2003年式 ヤマハTZ250という、大変高性能なバイクです。
ウィンカーやライトなどが最初から付いていないサーキット走行用ですが、一般の人間でもバイクショップで注文する事ができます。
本来は無地の真っ白な車体ですが、オリジナルカラーに塗装したりレーシングチームに出資する企業のステッカーなどを貼り付けてレース活動を行います。
まるで「走る広告塔」、F1みたいな世界ですね。
2003年にBy-Qがメインスポンサーとなったこのチームは、全日本ロードレース選手権を1年間戦いました。ライダーは 川名佑季さんでした。最新テクノロジーの塊であるレーシングマシンは1年であっという間に陳腐化します。
戦い終えて、オブジェとしてスポンサーの手元にやってきたのです。
今でも少し整備してガソリンを入れれば走るかもしれません。
広告ステッカーの数が多ければ多いほど資金面で恵まれたチーム、ほとんど真っ白なままの車体はライダーやチームが自力で踏ん張っているチームとも見る事ができます。
昨今の経済情勢の中では、スポンサーを探す事が大変厳しいとお聞きします。
四輪のF1でもトヨタやブリヂストンがレース活動を休止すると発表がありました。
バイクは乗り手がいなければ動かないのですが、レース雑誌や会場を訪れるのは優秀なバイカーさん達です。多くの方にBy-Qを知っていただこうとのスポンサー活動でしたが、この年限りでレースのスポンサー活動を休止いたしました。
でもサーキットの熱気と興奮に包まれる雰囲気はBy-Q社員全員が大好きです。いつかはまたレース活動に関わりたいとも思います。
今年のMotoGP GP250クラスでは、日本人ライダーの青山博一選手がワールドチャンピオンになりました。大変な快挙です。おめでとうございます。
これからも日本製オートバイに乗る日本人が世界中で大活躍されるようお祈りいたします。
2009-10-27
戦争は太古から地球でたくさんの命を奪ってきました。弾丸が身体に命中すればよくて大怪我、たいていは命を落としてしまいます。
兵器は進歩しジェット機が飛び交うようになりましたが、戦場で最も革命的な発明だったのが『防弾チョッキ』だったそうです。40年前のベトナム戦争では、ヘルメットの進歩とともに『防弾チョッキ』を着用した兵士の生存率が驚異的に高まったそうです。
さてオートバイの世界ですが、日本でもほんの数十年前まではヘルメットの着用義務がありませんでした。ところがオートバイの性能向上により速度も上がり、頭部損傷による交通死亡事故が激増したため道路交通法で乗車用ヘルメットの着用義務が定められました。
今ではヘルメット未着用の方はまず見かけないほど、普及が徹底しています。
オートバイ死亡事故の損傷部位別の統計は、
頭部47%、胸部26%、腹部10%、頸部8%、腰部4%という順で続きます(※警視庁発表統計に基づく)。ヘルメットはほぼ完全普及していますから、頭部47%という数字を下げるのは難しいのですが、頭部以外をプロテクトする事で救われる命が増えると私たちは考えています。
写真は「無限電光」というメーカーさんが開発し市販されている『二輪車用着用型エアバッグ』です。弊社でも導入に向けた積極的なテストを続けています。
ベスト型のエアバックで、By-Qのブルゾンの上から着用しています。
胸部の内側には硬質プラスチック製のプロテクターがセットされ、炭酸ガスの小型ボンベも装着されています。かなりの重さです。写真では分りにくいのですが、ボンベ部分からストラップが伸びていて、オートバイの車体と接続します。
事故が発生してライダーが宙へ投げ出されるとストラップが抜けて、炭酸ボンベからガスが噴出してバッグが膨らむ仕組みです。
室内でテスト中の所を撮影しました。作動後の様子で、ベスト全体が膨らみ更に頸部の後ろ側も気室が膨らみガードされています。事故発生から完全膨張まで0.5秒です。
写真のモデルは少し苦しそうな表情ですが、膨張すると本当に痛いほど身体が締め付けられます。だから安心なのかもしれません。実はバイク用だけでなく、乗馬用も販売されています。
市販価格は4万円前後とまだまだ高価で、気軽に着用するにしては少し重いです。By-Qも普及させるまでにいくつか壁があり、ゆっくりと進めていきます。でも、万が一の緊急事態にはかなりの効果を発揮すると思われます。
エアバックを着用しないにしても『胸部プロテクター』『脊椎プロテクター』は絶対に着用したほうが良いと私たちは思っています。こちらでしたら市販価格も1万円前後です。
600キロ以上走る日もありますが無事故が当たり前、安全運転がプロの証です。でも万に一つの可能性には備えるべきとも考えます。四輪車は安全設備がどんどん進化しています。
負けるなオートバイ! !
2009-09-29
By-Qが設立された25年前は携帯電話などもちろん存在せず、バイク便ライダーの必須能力の一つとして「ポケットベルが鳴ったらいかに早く公衆電話を見つけられるか!」という項目がありました。無線機をバイクに装備したり、という時期もありましたが、首都圏を離れると電波が届かない時もあり、公衆電話の場所をいくつ把握しているかが仲間内の自慢会になったりもしていました。
メモを持たず慌てて電話ボックスに入り、指示される集荷場所を電話機に走り書きしてしまう方もいたようで、そんな『落書き』を見つけると「ああ、同業者がここを使ったんだな」とクスクス笑ってしまう事もありました。
それから10年も経たない内に携帯電話が一気に広がり始め、バイク便ライダーの仕事手順は大きく変貌しました。
今では公衆電話もすっかり少なくなり、街中で見つける事すら難しくなりましたね。
そして携帯電話は進化し続け、メールやWEB機能を利用してバイク便各社は次々と配車コンピュータシステムを開発しはじめました。
バイクを使ったアナログで荒くれ(笑)稼業のイメージをお持ちかもしれませんが、ハイテクIT技術でオートバイは走り続けています。
もう一つは地図
地図無しで東京を縦横無尽に走れて一人前、という風潮がありました。ベテランはビル名を聞いただけで幾通りものルートが連想できるそうです。
でも静岡県や長野県など東京から遠く離れた場所へ走る事も多く、関東全ての地図を揃えるライダーもいました。地図だけで10冊近く携える事もざらでした。
数年前から二輪車用ナビゲーションが市販され始め、少しずつ装着するライダーが増えました。でも、まだまだ高価な機器です。
私たちにとって最も革新的だったのが「携帯ナビ」でした。
携帯電話はパケット料定額が浸透し、高機能なGPSが附属した端末が続々と発売されています。
オートバイにシガープラグの外部電源を付け足して電源を接続、ハンドルに端末を固定しイヤホンを接続すると画面+音声案内で快適に安全に迅速に目的地まで到着できるようになりました。
私たちの業界にとって、本当に革命的な事でした。
一般バイカーの皆様にも、手軽で安価なナビゲーションをぜひお勧めいたします。
2009-09-25
毎年、春や秋のある時期になると街角にはたくさんの警察官のみなさんが立ち、交通安全の旗やノボリであふれ返ります。
今年の秋も9月21日から9月30日までの期間「全国交通安全運動」が実施中です。
歴史はとっても古く昭和23年には地方主体で実施されており、昭和30年代には日本全国一斉での活動が行われるようになったそうです。
自動車の普及で急激な交通事故増加に対応するため、政府の重要施策として実施される運動なのです。
安全啓発の活動だけではなく交通違反取り締まりも強化されるようで、この期間に「白バイに取締り受けてしまった・・・」というバイカーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私たちも商売で道路を走らせていただく身。安全運転を心がけていますが、やはりこの期間は緊張します。
さまざまなイベントが催されますが、その中でも二輪車安全対策として各地の警察署で乗車講習会などが頻繁に行われます。
By-Qの所在地を所轄する「東京湾岸警察署」(某映画に出てきそうですが、本当にお台場にあります)から、講習会のお誘いをいただきましたので参加してまいりました。
お台場の広い駐車場を閉鎖して、安全運転の技術を高める講習会です。地元企業の従業員や一般ライダーさんも参加されていました。
まず白バイにお手本を見せていただきます。技術的には私たちも全くかないません。
天気は快晴、気温もぐんぐん上がり汗ぐっしょりです。小休止で冷たいお茶が全員に配られます。
参加バイクは50ccから1300ccまで、よりどりみどりです。狭い板の上をゆっくり走る「1本橋」、等間隔のパイロンの間を右に左に切り返す「スラローム」など、普段はなかなか使わない技術を学びます。簡単そうに見えて、なかなかうまくオートバイを操作できません。
安全は運転技術だけではないと私たちも考えていますが、止まると倒れてしまう特殊な乗り物です。やはり基礎の技術は磨いたほうが断然良いようです。